2012年2月1日水曜日

ストーリーテリング

昨日は鎌倉へ出掛けてきました。

ある方に会える機会が出来たため鎌倉へ向かったんですが、時間がまだ早すぎたため、少し鎌倉探索をしました。

歴史ある町なので、至る所にいろいろな由来があり、それを想像しながら歩くのもまた格別です。

そして子供たちにまだ見せたことが無かった鎌倉の大仏を見に行きました。





紅葉もすごく美しく、見ごろなんではないでしょうか。


そして、未だ乗る機会がない江ノ電を目の前にして。


そんなこんなで、時間もたちいよいよ本題の場所へ。

以前にも書いたように最近良く本を読みます。

インディアン関係の本がほとんどで、行ったこともなく、言葉も知らない土地の話を読むときは、まず世界地図を広げ、どの地域の人々の話かをまず調べます。

そしてその土地の風景、山や川などを想像して読み始めます。

そうすることで、僕の中でいろいろな場面が想像しやすくなり、その文章の理解度も上がってくるわけです。

そして、そこに書いてある言葉一つ一つに想像した声を加えて行きます。

登場人物個人個人が語っているような状況が頭の中で出来あがるわけです。

そこまでして僕のトロイ頭はようやく本の世界を理解してくれるわけです。

しかし、それはあくまでも想像の世界でしかありません。
僕の想像の世界ではどんなインディアンも流暢に日本語を話しているわけです。

本当の声を聞けばより深い理解が生まれるのではないかと思って森と氷河と鯨という本を読んでいました。

その本を読み終わった後、その本の登場するクリンギットインディアンのストーリーテーラー 、ボブ・サム氏の話が聞けるというイベントを知りました。

僕にとっては、願ってもないイベントでした。

そして昨日、ボブサムさんの声を聞いてきました。

彼の口調は非常に柔らかく、物静かの音の中にもぐっと迫ってくるような、そんな声でした。
言葉を急がず、じっくり時間をかけて口に出す。その間もすごく心地よかったです。

そして、ほとんどが英語でお話されましたが、自己紹介は自分の言葉でされました。
クリンギット語、流れる風のような、美しい言葉でした。

クリンギットの話もとても興味深く、彼の背中にアラスカの風景を見てとれた瞬間が有りました。

こういう、ゆっくり、物語を聞かせるという文化は僕らにも少なからずあり、僕も子供のころにそんな経験をしましたし、僕も子供たちにしてあげたことはあります。

しかし、子供たちが読み書きを覚え、自分で本も読めるようになり、大人たちは日々の時間に追われ、寝るのがやっとの生活のなかで、そういう習慣が徐々に無くなってしまっていることを改めて気付かされました。

時間は自分で作るものだと何かの本で読みましたが、確かにそうで、昔出来たことが今出来ないはずがなく、どこか理由を付けて自分自身で心のゆとりみたいなものをなくして行っているんだと思いました。

ボブさんの話を聞いて、僕の子供たちにもゆっくりクリンギットの話やラコタの話、日本の昔話を聞かせたいな~っと思いました。

そしてなにより、もう一度森と氷河と鯨を読み直すのが楽しみです!

こういった機会を設けてくれた、ボブ・サムさん、イベント主催のミドルズさんに深く感謝致します。

いつか、遠いアラスカの大地で、たき火を囲みながら、ボブサムさんの話を聞けるの夢みて、
そう、星野道夫さんがそうしたように・・・



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